「最近、記憶力が落ちてきたなー」って思うことないですか?
一度にたくさんの人に合ったりしたとき、名刺交換もしっかりしたのに、誰が誰だか分からなくなってしまったり、新しい営業担当の子を紹介してもらったのに、帰る頃にはもう覚えていない…
そう思うと、ビジネスマンにとって「名刺交換」という文化って本当にありがたいと感じます。
そして、ビジネスシーンにおいて、記憶力は大切なのは間違いないです。
ではなぜ、記憶力のいい人と悪い人がいるのでしょうか?
最近の研究では、記憶力においては一部の特別な人を除いて、先天的な優劣はないとされてます。記憶力のいいとされてている人は、独自の記憶法と訓練によって記憶力を高めているにすぎません。
つまり、記憶力はテクニックで補えるということです。
今回の記事では、記憶術を学び、物覚えの悪いと追う勘違いを解消していきたいと思います。
そもそも記憶って何?
記憶力とは、物事を覚えておく「能力」のことです。
よく似た意味でつかわれる「暗記」というものがありますが、「記憶」と「暗記」は全く違うものです
暗記:覚える事
記憶:覚えたことを忘れないようにすること
一般的には、暗記とは、書いてある文字・数字の配列などを覚える行為を指します。
たとえば試験のために数式を覚えるのは、暗記にあたります。
対して記憶とは、暗記した文字などを覚え続けることです。
暗記した数式を試験後もずっと覚え続けている場合は、「記憶」に該当します。
コンピュータにたとえるなら、暗記とは物事を「インプット」することです。インプットした物事を「保存」することを記憶と呼びます。
記憶のプロセスは、覚える・覚えておく、思い出すの3段階で構成されています。
記憶の種類
さらに記憶は大きく分けて
短期記憶…情報を一時的に覚える事。
長期記憶…情報を一定期間覚えておく事。
感覚記憶…数秒程度保持される五感の記憶
【短期記憶】はテスト直前に覚えた公式などがそれにあたります。【長期記憶】は思い出(陳述記憶)や自転車の乗り方(非陳述記憶)などがあります。感覚記憶とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚など五感の記憶です。感覚器官でキャッチした情報をそのまま1~2秒ほどとどめる機能のことで、不要と判断されると、その記憶は削除され、脳がパンクするのを防いでくれます。
記憶のメカニズム
記憶が長期記憶になるまでのメカニズムとしては、次のステップを踏みます。
- インプット・体験
- 感覚記憶
- 短期記憶
- 中期記憶
- 長期記憶
【インプット】で何かを見たり、聞いたり、体験したものを【感覚記憶】で瞬間的に情報が保管されるが、ここで不要と判断したものは消去される。
残った情報は海馬のワーキングメモリに運ばれて【短期記憶】として数分留まる。
その情報の出し入れを何度も繰り返すことで、1時間から1ヶ月ほどの【中期記憶】なり、その中期記憶の中でも特に重要なものは【長期記憶】として長期間定着する。
という流れで、インプットは長期記憶化されます。
記憶術の種類
記憶術には多くのものがあります。
中には心理学を応用したようなものもあり、あなたに最適な方法が見つかるかもしれませんし、個別のシーンごとに適したをチョイスして、ビジネスに活かしていってください。
語呂合わせ
「語呂合わせ」は最もよく使用され、なじみの深い記憶術です。
ほとんどの日本人は「語呂合わせ」を使って歴史の出来事を覚えたことがあるのではないでしょうか?それほど馴染みのある「記憶術」になります。
語呂合わせを使っている科目は多く、歴史にとどまらず古文や理科でも使われています。語呂合わせはもっとも有名な記憶術といってもいいでしょう。
語呂合わせは、数字を仮名に置き換える方法が一般的です。たとえば「1」ですと「イチ、イ、ひと、ひ」などのように置き換えます。
自分のオリジナルの語呂合わせを作ってみるのもとても楽しいです。
チャンク法
チャンク(chunk)とは、「意味のあるかたまり」と言い、バラバラな情報を自分で都合のいいようにグループにまとめる作業のこと。
「090○○○○△△△△」といったランダムな番号の羅列だと覚えにくいですが、「090-○○○○-△△△△」のように「-(ハイフン)」を間に入れると覚えやすくなります。
チャンク化には正式なルールはありません。自分なりの視点でグループでまとめ、しっくりくるまで何度もくりかえすのが基本です。
ストーリー法
【ストーリー法】は読んで字のごとく、覚えたいものを架空の物語作って、覚えやすくする方法です。
例えば文具店で「ボールペン、ノート、付箋、のし袋」の買い物リストを覚える必要があるときに、
「ボールペンでノートに文字を書こうと思ったら、付箋が貼っており、そこには【のし袋】と書かれていた。」
みたいに、自分で独自のストーリーを作って、覚えたい単語をそれを邪魔しない感情などで繋げて、名詞だけを引っ張ってくるというものです。
場所法
「場所法」は記憶術の中ではもっとも古く最も優れた古典的な記憶術になります。
場所法は、リアルに存在する場所や架空の場所を用意して(これを「記憶の宮殿」といいます)、ここへ記憶したいことをイメージで関連付けて覚えていく方法になります。
しかし場所法にも欠点があります。それは「記憶の宮殿」に多くの情報を詰めすぎてしまうと混乱してしまい覚えること自体に混乱が出てくることです。
また暗記する際に「記憶の宮殿」を整とんしておかないと、せっかく覚えた知識を引き出すことができなくなることがあります
身体法
身体法とは、覚えたいことを体の各所と関連づけて暗記するテクニックです。
たとえば、髪の毛、額、目、鼻、口といった具合に身体の各部分と、暗記すべき対象物を結びつけていくやり方です。
上記の【場所法】の亜流にあたり、記憶の宮殿を自分の身体部位に当てはめるものになります。
場所と違い、使える部位には限界がありますので、問い急ぎコンパクトに記憶したい場合などに適しています。
例えば、2名と対面して商談している場合に、右手に杉田、左手に山本など、その場しか使わない場合には最適な方法です。
まとめ
世の中にはたくさんの記憶方法、記憶術が溢れています。それに関連する書籍もたくさん出版されている事から、みんな記憶に対して困っていることがあるということです。
多くの記憶術を試すうちに、必ずあなたに最適な方法が見つかります。
見つかった方法を自分なりにアレンジも加えながら、昇華させていく事でより良いものを作り上げてください。
記憶力は今からでも鍛えられます。その一助になれれば幸いです。