部下との正しい付き合い方。部下をその気にさせて、上手に育てる方法とは?

ビジネス

30代後半になってくると少なからず、部下や後輩が出来てくると思います。

年代や性別、育ってきた環境が違うために、

・どのように接すればよいのか?
・どのような教え方が良いのか?
・何を考えているのか?

といった疑問点から、上手に部下と付き合い、上手に育てられる人と、そうでない人が分かれてきます。

ビジネスの世界において、部下教育、チーム作りは重要なスキルとなるだけではなく、あなたを助けてくれる仲間を持つことは非常に大切な要素になってきます。

この記事では、上手な部下との付き合い方、育て方にフォーカスしていきたいと思います。

「最近の若い者は!」と言ってしまう心理とは?

「最近の若い者は!」って言ったことがある人も、言われたことがある人も多いのではないでしょうか?

約5,000年前の古代エジプトの壁にも「最近の若い者はたるんでいる!」という言葉が刻まれていたことは有名は話です。

つまり最近の【若い者】にだけこの言葉が当てはまるわけではなく、遠い昔から、同じように感じている年長者がいたことを示しています。

そういった発言につながる背景には、ある2つの心理効果が働いています。

それは

【対人比較欲求】
【自己承認欲求】

です。

人はだれしも、他人と比較してしまう心理が働きます。

どちらが勝っているか?
どのような評価の差があるか?
誰かに認められたい!

といった心理から自然に他人との比較を行ってしまいます。

【対人比較欲求】でターゲットを若い世代にするとともに、自分や自分たちの世代の方が苦労してきた、優れているという【自己承認欲求】が相まって

「最近の若い者は…」

と言いたくなってしまうのです。

これは心理効果であり、本能であり抗うことはできません。しかし「最近の若い者は…」と思ってしまうことはあっても、それを周囲に伝えるかどうかはあなたが判断できます。

自分が若手の時に「最近の若い者は…」から始まって、上司の武勇伝を延々と聞かされた苦い思い出がある人は、自分がそのめんどくさい上司にならないように気を付けなければなりません。


部下とうまくやるには?

人間関係には必ずと言っていいほど、対立や確執が起こるものです。心理学ではこれを【対人葛藤】といいます。

対人葛藤とは大きく3つに大別できます

①利害葛藤
②認知葛藤
③規範葛藤

です。

利害葛藤とは

利害葛藤とは、自分が想像した願望や期待と実際が違った場合に生じる葛藤です。仕事の役割分担や職責の差異など、それぞれの利害が絡み合うことで生じます。

認知葛藤とは

 認知葛藤とは、考え方や意見の不一致によって生じる葛藤です。プロジェクトの進め方、チームの方針、選ぶ手段に加え、価値観や、仕事観の違いによっても生じます。

規範葛藤とは

規範葛藤とは、「人はこう振舞うべき」というあなたの基準に対して、他人の行動を評価することから生じる葛藤です。道徳観や倫理観、価値観、社会規範、公正感などは人それぞれ違います。自分の基準と相手の基準が違ってしまう事で生じます。

 

まずは前提としてこういった葛藤が生じることを認識したうえで、どのように処理していくかを知りましょう。

対人葛藤を処理する方法

心理学の研究から、対人葛藤を処理する方法は大きく5つのパターンがある事が分かっています。

①回避型…問題を棚上げし、解決を先延ばしにする。
②妥協型…お互いに譲歩し合う。
③融和型…互いの違いに互いが目をつぶる。
④固執型…互いの立場を主張し合い譲らない。
⑤問題直視型…問題解決に至るまで徹底的に議論する。

この5つの処理モデルの内、「固執型」「回避型」を選択すると部下との関係は改善されることはありません。一番良いのは「問題直視型」で対人関係から逃げることなく、関係構築の最高のチャンスと捉え、真摯に対応することがベストです。

部下の上手な育て方

部下は叱って育てる方が良いのでしょうか?ほめて伸ばす方が良いのでしょうか?長らく議論されている点ではありますが、心理学的には【褒めて育てる】に軍配が上がっています。

部下は褒めて育てましょう!

そこで、ほめて伸ばす方が良いのはわかったが、褒めることが苦手な人もいるはずです。ここでは、どのように褒める方がより効果的かという観点から、効果的な褒め方について考えていきます。

プロセスを褒める

人を褒めるためには、褒めるなりの基準があれば楽ですよね?

「契約をとってきた」「個人売上目標達成」「新商品の開発」など分からいやすい結果があれば褒めやすいのではないでしょうか?良い結果が出たことは大変素晴らしいことですが、大切なのは目標達成に至ったプロセスの方を褒めることです。

結果だけを褒めてしまうと「結果がでなければ褒められない」と捉えられ、無難な結果を追うようになりチャレンジしない部下になります。

タイミングを大切にする。

ポイントはすぐに褒めることです。時間が経過して「あのときのあれ…」と褒められてもピンときません。タイミングを逃さず、すかさず褒めるようにしましょう。

ベストなタイミングを逃してしまったとしても、なるべく早くが次のベストタイミングになります。

第3者を通じて褒める

【ウインザー効果】をご存じですか?

ウィンザー効果とは、
当事者よりも第三者が発信した情報のほうが信頼されやすいという心理効果のこと

この効果を褒める時にも活用しましょう。

褒められた本人だけではなく、伝え役になってくれた人にとっても、その人の良いところが知れて、チームとしても良い関係になってきます。

部下に共感する

褒める前提として、部下に共感することも大事です。部下に対して共感を示すことで、関心がある事が伝わり、褒める気持ちも伝わりやすくなります。

具体的には、「いいね」「なるほど」「そうだね」などは部下に対して共感を示すことのできる良いフレーズです。

成長褒める

部下は日々成長しています。そしてその成長を認めてもらいたくてうずうずしています。あなたから見たらまだまだかもしれませんが、部下にとっては大きな成長、変化かもしれません。

「〇〇上司は、こんなところまで見てくれている」
「〇〇さんは、小さなことまでわかってくれている」

といった心理状態に部下をすることは、とても大事です。他人との比較ではなく、部下個人の状態から変化成長を褒めてあげるようにしましょう。

みんなの前で褒める

一番効果的で簡単なのは、これ【みんなの前で褒める】です

1対1の場面で褒めることも良いですが、第3者がいる前で褒められることは、部下の大きなモチベーションアップにつながります。大勢の前で評価されることで、【自己承認欲求】も満たされ部下の自尊心も高まります。

注意点としては、あまりに偏った人だけを褒めずに、意識して公平に褒めるようにしてください。
偏り過ぎるとえこひいきしている様に周りから受け取られ、多メンバーに対して逆効果になる場合もあります。

部下をやる気にさせる方法

部下は「やれ!やれ!」いってもやってくれません。意欲ややる気の導火線は人それぞれ微妙に違います。ここでは一般論として、研究で明らかにされている【やる気がアップする4つのタイミング】について紹介していきます。

上司・先輩から褒められたとき

先述のとおり、部下は褒められることでモチベーションが大幅にアップします。

部下の心理状態を意識し、適切なタイミングで適切に褒めてあげてください。

出来ないことが出来るようになったとき

今までできなかった仕事や苦労した仕事が出来るようになったとき、人はやる気がアップします。

ミスが少なくなってきた、誰かのサポートがいらなくなってきた時も部下は自分で自分の成長を時間でき、モチベーションがアップします。

小さな成功体験を数多く積ませることで、部下は成長し、やる気に満ちてきます。

難しい仕事をこなせるようになったとき

難しくてうまくできないと思っていた仕事も、気が付けば出来るようになっている、。そう気づいた時部下は自分の成長を感じモチベーションがアップします。

小さな成功体験だけでなく、ひとつの大きな成功体験を積ませることもとても大切です。

責任ある仕事を任せられたとき

責任ある仕事を任せてもらうというのは、わかりやすい期待の証明です。

部下はあなたから期待をかけられることでモチベーションがアップします。

多少のリスクと引き換えにしてでも、部下に期待をかけるようにしてあげて下さい。それ相応のリターンがあるハズです。


まとめ

部下をやる気にさせるのに大切なのは

「期待をかける」
「成功を信じる」

ことです。

この効果は教育心理学で【ピグマリオン効果】と言われ、他者から期待されることで成績が向上する現象のことを言います。

部下に対して、しっかり期待し、成功を信じてあげてください。

あなたの部下との関係がより良いものになる、一助になれれば幸いです。

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