年収の壁とは
一言でいうと「この収入のラインを超えると負担が増える」ラインのこと
①手元に残るお金は増えるけど、増加の割が悪くなるパターン
②そのラインを超えると収入がガクッと減るパターン
の2つがある。
②については、この谷となる部分に入る意味はないため、それ以上収入が増えないように調整必要を迫られる。
収入の壁を知るうえで必要な知識【扶養】について
収入を一緒にしている、養っている人がいることで、この部分が控除対象になる。
税金と社会保険で対象者と控除対象の条件が異なる。
扶養については控除での優遇があるが、
①扶養している人への優遇…本人の所得控除
②扶養されている人への優遇…社会保険(健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険)料免除。
家計というまとまりで見ると同じ
年金と健康保険について
日本ではすべての人が健康保険と公的年金制度の対象である。
会社員は会社の社会保険に加入し、自営業の人は国民社会保険に加入する。
配偶者については夫の入っている社会保険に無料で加入でき、年金についても「3号被保険者」に分類され、保険料なしで国民年金を満額納めているのと同じ状態になる。
壁の3つのカテゴリー
①税金の発生
103万円の壁…所得税が発生するライン。
所得から、基礎控除48万円、給与所得控除55万円=103万円
までは所得税がかからない。
104万円の収入があった場合、1万円分が控除しきれず、この1万円に5%(最低税率)が課税される。(増加の割が悪くなるタイプの壁)
②控除の消失
扶養者の控除があるため、誰かを扶養している方が現在になる。
その為扶養を外れないように収入を調整する壁。
●配偶者の場合…配偶者の収入150万円まで配偶者特別控除が満額(38万円)取れるが、それ以降は段階的に減っていくので、割が悪くなるタイプの壁が存在する。
●大学生の場合…扶養控除(63万円)が103万以上の収入を得るといきなり0に消滅する。働き損のパターン。
③社会保険への加入
被扶養者の給与収入130万円をこえると扶養から外れる為、被扶養者は自分が勤める会社の社会保険への加入が必要になる。
130万円ぎりぎりのラインだと年間約30万円の社会保険負担となる。同じ水準に戻すためには30万円余分に収入を得ないといけない。
会社の規模(従業員51人以上、週20時間以上…)によっては106万円に達する見込みとなった場合にその会社の社保へ入らないといけない場合がある。加入必須
この場合扶養の条件から落ちるわけではないが、結果扶養から外れることになる。
扶養からは外れるが、国民健康保険、国民年金に加入するのではなく、会社の社会保険に加入するので、半額負担で良い。【労使折半】
問題点
物価や賃金の変動に合わせて、税率の基準点もスライドさせなければならない。
物価や賃金の上昇に合わせて、基礎控除額を引き上げるべき
最低賃金が上がっているのにフェアではない。
611円(1995年)→1,055円(2024年)※1.73倍
1995年には年1,686時間で103万円、今は年1,686時間では178万円
基礎控除アップは全働き世代に大きな減税になる。
いつもの単発的な現在ではなく恒久的な減税となる。
働いて稼ぐことへのポジティブなアナウンスを出すことは非常に意義がある。
まとめ
①税の発生 100万の壁、103万の壁
②控除の消失 103万の壁、150万の壁
③社会保険加入 106万の壁、130万の壁